夜のお店の内部不正で多いのは、会計の後に伝票を消す・取り消す・値引きして、受け取った現金を抜くやり方です。防ぐには、伝票を直した記録を消せない形で残し、削除・取消・値引きができる人を決め、レジの過不足と合わせてオーナーが毎日すぐ見られるようにします。
目次
夜のお店は現金の会計が多く、店長や内勤(黒服)が会計とレジ締めを1人でこなすことも多いため、伝票を使った不正が起きやすい仕事です。不正が続くと、売上が減るだけでなく、キャストのバックや給料の計算まで狂います。
この記事では、よくある手口と、それぞれが見つかる所、オーナーが毎日見るべき数字、疑う前に確かめることをまとめます。誰かを疑うためではなく、不正ができない仕組みを先に作るための記事です。
夜のお店でよくある不正のやり方は?
よくあるのは、お客様から現金を受け取った後に伝票を消すか、取り消すか、値引きして、記録上の現金を減らし、その差額を抜くやり方です。記録上の現金が減るので、レジ締めでは合ってしまい、締めだけでは見つかりません。
| 手口 | 起きること | 見つかる所 |
|---|---|---|
| 会計の後に伝票を消す | その会計がなかったことになる | 伝票番号の飛び、削除の記録 |
| 会計済みの伝票を取り消す | 売上が減り、現金だけ残る | 取消の記録と、取消した人・時刻 |
| 値引きを後から入れる | 差額だけ現金が浮く | 値引きの記録、値引きの多い人 |
| 注文を後から消す・数を減らす | ドリンクやボトルの売上が減る | 伝票の変更の記録、キャストの杯数との違い |
| ツケの回収を記録しない | 回収した現金がそのまま浮く | ツケの台帳とお客様の話の違い |
| 現金の会計をカードで記録 | カードの合計と端末の利用票が合わない | カード端末の利用票との突き合わせ |
どの手口も、会計の後に伝票を直せて、その記録が残らない、または誰も見ないことで続きます。逆に言えば、直した記録が残り、それを毎日見る人がいれば、続けにくくなります。
不正を防ぐために、まず何をすればいいですか?
最初にやるのは、伝票を直した時に「誰が・いつ・何を・いくらから、いくらに」直したかが残るようにすることです。そのうえで、直せる人を決め、直しの記録を毎日見ます。
- 伝票の削除・取消・値引きの記録が、消せない形で残るようにする
- 削除・取消・値引きができる人を、店長など決まった人に絞る
- 値引きの理由(常連・イベント・お詫び など)を書く決まりにする
- 毎日、削除・取消・値引きの件数と金額を日報に載せる
- レジ締めの過不足を毎日記録し、続く時は理由を確かめる
- オーナーが、削除・取消・大きな値引きをその日のうちに知れるようにする
不正を防ぐ仕組みは「できなくする」より「やれば必ず残り、誰かが見る」形の方が続きます。全部を禁止すると、正しい直しまでできなくなるからです。
オーナーが毎日見る数字は?
オーナーが毎日見るのは、削除・取消・値引きの件数と金額、レジの過不足、そしてそれを誰が操作したかの3つです。1日だけでなく、週や月で人ごとに並べると、偏りが見えます。
| 操作した人 | 取消 | 値引き | 値引きの合計 | その人が締めた日の過不足 |
|---|---|---|---|---|
| Aさん | 1件 | 2件 | 3,000円 | 0円 |
| Bさん | 0件 | 1件 | 1,000円 | +500円 |
| Cさん | 4件 | 6件 | 24,000円 | −2,000円が3日 |
この例では、Cさんの取消と値引きが他の人より多く、締めた日に不足が続いています。これだけで不正と決めつけず、1件ずつ伝票とお客様を確かめます。
値引きの決まりはどう作ればいいですか?
値引きの決まりは、「どんな時に・いくらまで・誰が」できるかを表にして、店内で共有します。決まりの外の値引きが記録に出た時に、すぐ分かるようにするためです。
| 場面 | いくらまで | できる人 | 書く理由 |
|---|---|---|---|
| 打ち間違いの直し | 間違えた額だけ | 店長・内勤 | 直す前の注文 |
| 常連・イベントの値引き | 店で決めた額か率まで | 店長 | イベント名・お客様の名前 |
| お詫びの値引き | 店で決めた額まで | 店長 | 何があったか |
| それより大きい値引き | — | オーナーに確かめてから | オーナーの了解 |
例えば「1万円以上、または小計の30%以上の値引きはオーナーに知らせる」のように、知らせる線を決めておくと、毎日すべてを見なくても大きなものだけ確かめられます。線の額はお店の客単価に合わせて決めます。
不正を疑う前に確かめることは?
レジが合わない原因の多くは、不正ではなく記録の漏れです。まずはレジ締めと日報で書いた順番で、日払い・買い出し・ツケの回収・カードの打ち間違いを確かめます。
- 取消が多い:会計の打ち間違いを直しただけのことがある。直した後の伝票があるか見る
- 値引きが多い:イベントや常連の決まりで値引きしていることがある。決まりとして書いておく
- 過不足が続く:つり銭の数え方が人によって違うことがある。数え方をそろえる
- 名前の偏り:iPadで操作する人の名前を選ばずに操作すると、別の人の名前で残ることがある
伝票の記録に残る名前は、操作した時に選ばれていた人の名前です。他の人の名前を選んで操作することもできるので、記録の名前だけで本人と決めつけず、勤務の時刻や防犯カメラと合わせて確かめます。
不正はキャストのバックや給料にも響きますか?
響きます。会計の後に注文を消したり伝票を取り消したりすると、その伝票に付いていたキャストのドリンクや指名のバックも一緒に消えるからです。
キャストが「自分の杯数より少ない」と言ってきた時は、打ち間違いのほかに、伝票の直しがないかを確かめます。キャストが自分の成績とバックをいつでも確かめられるようにしておくと、こうしたずれに早く気づけます。バックの付け方はバックの計算をご覧ください。
ログインと権限はどう分ければいいですか?
オーナーと店長・内勤で、同じログインを使い回さないことが基本です。誰が操作したかが分からなくなり、記録が意味をなさなくなるからです。
- 管理画面のログインは、1人に1つ渡す。辞めた人のログインは止める
- 古い月の伝票の取消など、影響の大きい操作はオーナーだけができるようにする
- iPadの売上・締め・設定の画面には、暗証番号をかける
- パスワードは店内で共有しない。ログインした端末の知らせを受け取る
日報には直しの記録をどう載せますか?
日報には、削除・取消・値引きの件数と合計額を、毎日同じ形で載せます。0件の日も「0件」と書くと、載せ忘れと区別できます。
- 削除:件数、伝票番号、操作した人
- 会計済みの取消:件数、金額、操作した人、理由
- 値引き:件数、合計額、決まりの線を超えたもの
- レジの過不足:差額と理由
不正が見つかったらどうしますか?
不正が分かった時は、感情的に問い詰める前に、記録を集めて事実を整理します。記録がそろっていないと、本人が否定した時に話が進みません。
- 伝票の直しの記録、レジ締めの過不足、勤務の時刻を、日ごとに並べて保存する
- お客様に確かめられる会計は、実際にいくら払ったかを確かめる
- 本人に話を聞く時は、オーナーと別の人の2人以上で、記録を見せながら聞く
- 返金や処分の扱いは、雇い方(雇用か業務委託か)で変わるので、弁護士や社労士に相談する
- 同じことが起きないよう、権限・値引きの決まり・毎日見る数字を見直す
店長・内勤・代理店が気をつけることは?
- オーナー:毎日の過不足と直しの記録を見る。見ていることをスタッフに伝えるだけでも抑止になる
- 店長:値引きの決まり(いつ・いくらまで・誰が)を紙にして、理由を必ず書かせる
- 内勤(黒服・事務):打ち間違いを直す時は、取消の理由を書く。締めの後に直したら、締め直す
- 代理店:POSを勧める時は、伝票の変更の記録が残るか、オーナーへの知らせがあるかを確かめる
UNIGHTでは、会計の後に伝票を直すと、誰がいつ何を直したかが全プランで残ります。プレミアムの不正アラートでは、伝票の削除・会計済みの取消・大きな値引き・レジの過不足をオーナーのダッシュボードに出し、選んだ種類はLINEでも知らせます。iPadの売上・締め・設定には暗証番号をかけられ、前月より前の伝票の取消はオーナーだけができます。データの守り方はデータの安全をご覧ください。

よくある質問
レジ締めが合っていれば、不正はないと言えますか?
言えません。会計の後に伝票を消したり値引きしたりすると、記録上の現金も減るので、レジ締めは合ってしまいます。伝票の削除・取消・値引きの記録を合わせて見る必要があります。
値引きを全部禁止すれば不正は防げますか?
全部禁止すると、打ち間違いの直しや常連への値引きもできなくなります。値引きできる人と理由の書き方を決め、記録を毎日見る方が続けやすくなります。
不正が疑わしい時、最初に何をすればいいですか?
まず記録の漏れ(日払い・買い出し・ツケの回収・カードの打ち間違い)を確かめます。そのうえで、伝票の直しの記録を人ごと・日ごとに並べ、1件ずつ伝票とお客様を確かめます。
伝票の記録に出る名前は本人ですか?
操作した時にiPadで選ばれていた人の名前です。他の人の名前を選んで操作することもできるので、勤務の時刻などと合わせて確かめます。